概要
Hyper-VでHyperBackを使用したエージェントレスバックアップを行う際、RCTと非RCTのいずれかでバックアップを行います。
設定項目:
AIPコンソール > [環境設定] > [HyperBack設定] --- オプションタブのトラッキング方法
Microsoft Resilient Change Tracking (RCT) を使用する。
*RCTは上記オプションで定義されており、デフォルトで有効(チェックオン)です。
*RCTは、Windows Server 2016 以降の Hyper-V で稼働する、構成バージョン8.0以降の第二世代仮想マシンのみ有効となり、条件を満たさない環境は非RCTで動作します。
*この設定は、ゲスト毎に定義できず、有効/無効の変更後、登録されたハイパーバイザー上の全ゲストに反映されます。
RCTと非RCTのチェックポイント作成方法
RCTが有効で動作する環境では、Hyper-VチェックポイントのSnapshotTypeは Recovery です。
チェックポイントはバックアップ中のみ存在します。vhdxの存在するフォルダーに.mct/.rctファイルをディスク毎に作成し、avhdxの変更を追跡し増分バックアップを行います。
RCTが無効で動作する環境では、Hyper-VチェックポイントのSnapshotTypeは Standard です。
常に VG_Snapshot1 または VG_Snapshot2 のいずれか1つを残し、そのファイルを追跡し増分バックアップを行います。
*VG_Snapshot1またはVG_Snapshot2は、HyperBackで増分を作成するために必須の為、HyperBackで運用中は手動で削除しないで下さい。
チェックポイントの内容はHyper-VマネージャやPowerShellで確認することが可能です。
PS >Get-VMSnapshot -vmname "インベントリ名"
RCTと非RCTには、主に下記のメリットデメリットがあります。
RCT
メリット
・バックアップ速度が速い。増分を監視するファイルのテンポラリが小さい。
デメリット
・下記記事の現象が発生することがある。
https://jpwinsup.github.io/blog/2022/08/15/Hyper-V/ConfigurationAndManagement/RemoveCheckPoint/
現象:本来RCTでは、Hyper-Vマネージャにチェックポイントを一時的に作成し自動削除されるが、残存する場合がある。
VG_Recovery_XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX
上記チェックポイントは、上記MSナレッジの対策、または、Hyper-Vマネージャ上で、下記の名前をハイライトして、キーボードのDelキーを入力し削除が可能。上記記事の対策後、フルから仕切り直して、その後も頻発する場合、AIP側では対策が無いため非RCTへの変更の検討が必要。
非RCT
メリット
・上記のRCTのようなデメリットとなる現象は確認されていない。
デメリット
・バックアップ速度はRCTよりもやや遅い。トラッキングのテンポラリサイズが大きい(.vhdx/.ahvdx)
RCTの有効無効について
RCTの有効無効の設定変更は、AIPのハイパーバイザー登録を行ったHyper-Vホスト上の全ゲストに影響します。
設定変更に影響しない(RCTが使用できない)ゲストは引き続きご運用ください。
RCTから非RCTへの設定変更に影響するゲストについて
・フルから仕切り直す必要がありますが、手動でHyperAgentのタスクから実行しようとすると「プロファイルが見つかりません」というメッセージが出て開始できない場合があります。その場合、スケジュールタスクのエージェントレスタスクを右クリックの実行でフルを作成ください。
・変更前のRCTによるトラッキングファイル(.avhdx.rct,および.avhdx.mctファイル)はシステムにより掴まれていて、すぐには削除できません。この状況の場合、バックアップ中、およびバックアップ後は下記のようなフォルダー構成になります。
ゲストには VG_Snapshot1 または VG_Snapshot2 が存在します。
そのまま運用でも動作に支障はありませんが、上記のファイルを削除したい場合は下記を実施してください。
・AIPが動作していない状態で、Hyper-Vマネージャから、対象ゲストの VG_Snapshot1 または VG_Snapshot2 を削除すると、.avhdx.rctおよび.avhdx.mct.mct,.rctファイルも自動で削除されます。その後、システムをシャットダウンしてから、残る.vhdx.mrtと.vhdx.rctを削除します。トラッキングがリセットされるので、この操作後の初回はフルからの仕切り直しを推奨します。増分の場合はフルと同サイズの増分ファイルを作成するため、保存先が枯渇しやすくなるためです。初回のタスクの動作以降は、.avhdxのみでの通常の非RCTで動作します。
非RCTからRCTへの設定変更に影響するゲストについて
・対象ゲストに VG_Snapshot1 または VG_Snapshot2 というチェックポイントが存在しています。このファイルをHyper-Vマネージャから右クリック>削除 で削除してください。
・その後、フルから仕切り直す必要がありますが、手動でHyperAgentのタスクから実行しようとすると「プロファイルが見つかりません」というメッセージが出て開始できない場合があります。その場合、AIPコンソールのダッシュボード>スケジュールタスク -- 対象のHyperBackのタスクを右クリック -- フルバックアップ実行 でフルバックアップを作成ください。
バックアップ動作中
バックアップ動作後
上記チェックポイントは自動で削除され、以降はスケジュール通りの動作になります。
*この記事は、ActiveImage Protector 2022 7.0.3.8919を使用して作成しています。
対象製品
- ActiveImage Protector 2022
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